マレーシアでの外国の運転免許からマレーシアの運転免許の書き換えが突然停止されたことはマレーシアに住む日本人社会に大きなショックをもたらしました。2018年10月2日付けでマレーシア外務省から正式通知があった後、半年以上経過していますが、これに関する通知は今のところ一切なく、様子見を決めていた関係者もそろそろ対応の必要性を感じているのではないでしょうか。この記事では、免許書き換えに関するマレーシアでの現状とその対応方法について説明します。
この記事を読んでわかる事は以下の通りです。
- マレーシアでの外国運転免許の書き換えに関する現状
- 現状を踏まえての対応策に関する情報
- マレーシアで現地の免許を取得する方法
結論を先に言ってしまうと、この記事では三女がつい最近マレーシアで運転免許を取得した経験をもとに、マレーシアで免許の取得をお勧めしています。
その理由は他のオプションについても説明しながら解説していきます。
3分で読み終えられる内容です。マレーシアに赴任・留学の予定がある方は目を通していただけると嬉しいです。
これまでの経緯と現状の整理
事の発端は、2018年9月13日の運輸大臣のアントニー・ローク氏の偽造運転免許証についての会見にさかのぼります。この会見の内容は、賄賂を払うことで正規の試験を受けずにマレーシアの免許を取得したり、不正に外国免許からマレーシアの免許に書き換えが行われており、少なくともそのような不正免許が1万件以上確認されたというものでした。
その後、マレーシアのMM2H(マレーシアマイセカンドホームプログラム)の資格保有者の外国免許からマレーシア免許への書き換えの停止が発表され、2018年10月2日付けでマレーシア外務省から正式通知でシンガポールを除く全ての国の運転免許からのマレーシア運転免許の書き換え停止が発表されました。(以下のリンクはMM2H担当当局からの発表とその発表を受けての在マレーシア日本国大使館からの10月4日付けの通知です。)
その後、関連当局からの発表は無く、現在に至っているところです。
ご存知の方は多いかと思いますが、マレーシアはKLであっても公共交通機関の便利はそれほど良く無く、多くの場所で自動車の所有・運転が必要です。特に現地採用の方は、会社から運転手付きの社用車の提供がなく、業務・プライベートの両方において自動車の運転が必要とされるのではと思います。
当初は、こんな不便は状態が長くは続かないと多くの方(私を含めて)がタカをくくって様子見を決められていたと思いますが、半年以上経っても新しい情報がなく、よくよく調べると、アメリカとイギリスの免許は2017年から書き換えが停止されている事実わかり、このままの状態が今後も続く可能性が高いのではと考えています。
現状を踏まえての対応策
現在考えられる可能な選択肢とその解説
現在マレーシアの運転免許をお持ちでない方が、マレーシアで合法的に車を運転する方法は以下の通りです。
- 日本で国際運転免許証を取得して、それと日本の運転免許証を携帯して運転する。
- シンガポールの運転免許証があれば、それをマレーシアの運転免許証に書き換えて運転する。
- シンガポールの運転免許証と車があれば、マレーシア入国時に20RMを払えば、3ヶ月を限度にマレーシア国内で運転できる。
- マレーシアでマレーシアの運転免許を取得する。
それでは、個々の場合のメリット、デメリットを説明ししていきます。
1番の国際免許で運転する方法は、一番現実的かつ手頃な方法です。日本で国際免許を取得していれば、マレーシアで特に手続きは必要ありません。デメリットは国際免許の有効期限が1年であり、その都度、本人が日本に帰って申請を行う必要があります。国際免許の発行側(この場合は日本の関連官庁)は有効期限が1年と言っていますが、受け入れ側はそれに従う必要はなく、それぞれの事情により発行側の期間以内で有効期間を設定できます。(例としてアメリカのある州では有効期間が数週間のところがあるようです。)私なりに調べたところ、どうやらマレーシアでの有効期間は90日のようです。歯切れが悪く心苦しいのですが、書き換え停止の件を関係があるのか、関係当局(JPJ)のリンクが切れているところが結構あり、当局の情報としての90日との見解を確認できませんでした。また、マレーシアで自動車の購買を考えている方は、国際免許での現地の自動車の購買・取得が可能であるか、確認する必要があります。さらに、事故などにあった場合は、色々と面倒なことになると思います。私の主観ですが、国際運転免許は観光で訪れて、レンタカーを借りて運転するには良いですが、赴任や留学で長期滞在するには、適していないように思います。
2番目のシンガポールの運転免許証をマレーシアの運転免許証に書き換える方法は、シンガポールの免許があるのであれば、一番良い方法だと思います。シンガポールからマレーシアに転勤になった駐在員などがこのケースに当てはなるのではないでしょうか。シンガポールの免許について気をつけなければいけないことは、マレーシアの免許と違って、ビザがないと更新できない点です。書き換えを考えている方は、早めに書き換えましょう。
3番目に関しては、可能性として記述しましたが、短期間であればお勧めします。その場合、自動車保険にマレーシアでの運転も含めるように保険会社に連絡してください。長期間マレーシアにいるのであれば、2番にあるようにマレーシアの免許に書き換えて、シンガポールの車は売り払って、マレーシアの車を買いましょう。理由はシンガポールの車は非常に高価で、車を所有する権利もとても高いです。この権利は所有期間とともに目減りしていきます。
4番目は、マレーシアの運転免許を取るための現地の学校に通って、マレーシア人と同じように免許を取る方法です。日本で免許を取るには金額にして約30万円、期間は合宿でなければ早くて1ヶ月、遅い場合は3ヶ月?のようですが、マレーシアではもっと手軽で、直近でマレーシアで免許を取得した私の三女(現在国籍はマレーシア)の場合を例にとれば、学校に2,000RM、Lライセンス(日本の仮免許に相当するもの、路上での講習に必要。)の取得に30RM/月、その他、補習教習、手続きや免許の取得のための諸々の費用を含めても3,000RM(日本円で約7万8千円)に収まりました。必要講習時間もステージ1(主に座学)として5時間、ステージ2(主に実技)で12時間でした。(うちの娘はこれ以外に2時間の実技補習を自主的に受けました。)言語も座学、実技とも英語で教えてもらいました。また、4年ほど前から、マレーシアでもオートマ限定の免許ができ、実技試験が格段に簡単になっています。(元々日本より簡単でしたが、というよりも日本が難しすぎる。)いずれにしても、どう見ても一発では合格できないと思っていた彼女が、得意の愛嬌を全力で駆使したとはいえ、奇跡的に一発合格を果たしたのですから、日本で免許を取得して、日常車を運転されていたみなさんならば、実地の合格には問題はないはずです。ただ、やはり英語の会話能力はある程度必要ですね。以下にマレーシアの自動車運転教習所の一覧があるサイトのリンクを貼っておきます。(サイト名にJPJ(マレーシアの道路交通局)とありますが、このサイト自体はJPJと関係ありません。ご了解の上ご利用お願いします。)
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回この記事を書こうと思ったキッカケは、日本の免許からマレーシアの免許への書き換えに関して、古い情報を載せているブログがあまりにも多く、それが現状と一致していない為、それを信じてマレーシアに渡ってしまわれて、大変な目に会う方がたくさん出てこられるのを危惧したからです。特に高校を卒業後、マレーシアの大学に留学の予定がある方が、日本で免許を取得してマレーシアで書き換えを行おうとされると悲劇に見舞われることになります。繰り返しになりますが、マレーシアでの免許取得は日本のそれに比べて格段に簡単でコストも4分の1ほどです。もちろん自己責任で行っていただかなければいけませんが、一度調べてみる価値は十分にあると思います。大学入学前の語学研修と同時に免許を取得されるのも良いのではないでしょうか。マレーシアの運転免許は簡単な実地試験を日本で行えば、日本の免許に書き換え可能です。また、マレーシアの運転免許の更新について、別の記事で詳しく解説しています。合わせて読んでいただければ嬉しいです。以下に記事へのリンク貼っておきます。
最後までお付き合いありがとうございました。この記事がこれからマレーシアへ赴任・留学される方への一助になれればとても嬉しいです。それでは、さようなら。
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