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海外赴任 住民登録は抹消すべき?(家族帯同編)

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海外赴任を始める前に、住民登録を抹消すべきかどうか悩まれている方は多いのではないでしょうか。初めて海外赴任される方は特にそうだと思います。

1年以上の海外赴任を行うとの条件の上で、家族帯同での海外赴任単身を行う場合と、単身で海外赴任を行う場合の2つに分けてお話しします。まずは家族帯同編です。また、カテゴリー上、単身者の海外赴任は家族帯同に含みます。単身赴任の場合は別記事、海外赴任 住民登録は抹消すべき?(単身赴任編)をご参照ください。それではしばらくお付き合い下さい。

家族帯同で海外赴任する場合

Family
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はじめに住民登録を抹消した場合のメリット・デメリットを明確にし、結論をお話しします。その後、細かい事例についてお話ししていきます。

住民登録を抹消した場合のメリット・デメリットと結論

家族帯同の海外赴任で住民登録を抹消した場合のメリットは以下の通りです。

家族帯同の海外赴任で住民登録を抹消した場合のメリット

  • 住民税の免除

家族帯同の海外赴任で住民登録を抹消した場合のデメリット(適時に適切な手続きをした場合)

  • 住宅ローン減税処置の停止
  • 児童手当の受給権利の喪失
  • 国民年金加入者が国民健康保険の被保険者で無くなる。
  • マイナンバーカードを保持していても、e-Taxでの納税ができなくなる。

結論

結論として、僕は抹消をお勧めします。その理由は以下の通りです。

金銭的な経済面を考えれば、住民税の金額が住宅ローンの減税額と児童手当の合計よりも多ければ、抹消、少なければ抹消しない(住民登録継続)となると思います。みなさんの多くの場合は抹消された方が経済的に有利になるのではないでしょうか。また、罰則規定などの詳細は決められていませんが、基本的に1年以上に渡り海外で居住すら場合は転出届けにその旨明記して提出することが求められています。(その結果、住民登録は抹消されます。)

また、海外赴任を行う人が国民年金の加入者であることは非常に稀であると思います。(人材派遣会社に登録している方が派遣会社から海外勤務の案件を斡旋された場合はその可能性があるかもしれません。)また、適時に適切な手続きをした場合とありますように、デメリットを上記の3つに限定するには適時に適切な手続きを行う必要があります。以下に個々の場合の詳細をお話ししますので、該当する方はご参照ください。

上記の通り、家族帯同の場合は住民登録の抹消をお勧めしましたが、抹消した場合懸念される項目を以下に列挙し、項目別に詳細をお話しします。

  • 住民登録を 住宅の所在地から抹消させることで住宅ローンの減税処置がストップします。
  • 児童手当の受給権利を失います。
  • 厚生年金・共済年金の加入が一定条件下で制限されます。
  • 国民年金の加入が強制ではなく任意になります。
  • 公的健康保険の加入が一定条件下で制限されます。
  • 印鑑証明の発行がストップします。
  • 住民票の発行がストップします。(当たり前ですね(笑)。)
  • マイナンバー(個人番号)の発行がストップします。

住宅ローンの減税処置について

住宅ローンの減税処置は該当住宅に申請者が住むことを前提条件にしていますので、家族一同が海外に移り住めば当然減税処置は止まります。また、控除期間(10年間)以内であれば、帰国後該当住宅に住めば減税処置を再開することができます。ここで注意しなければいけないことは控除期間は海外赴任の期間に関わらず、一切延期されないということです。

児童手当について

対象児童が日本国国内に住んでいない場合(本人の留学による場合は除く。)は受給されません。また、追加情報ですが、日本の健康保険の被保険者であれば、住民登録の有無に関わらず、出産育児一時金を受け取ることはできます。

厚生年金・共済年金について

特殊な場合ですが、赴任先が現地法人であり、現地法人が給与の全額を負担して、かつ現地で全額受け取る場合は厚生年金・共済年金には加入できません。その場合は、以下でお話しする国民年金に任意で加盟するか、赴任先の年金に加入することになります。(通常このようなケースは非常に稀だと思います。何故ならば、このようなケースにならないように企業が対応を行なっているからです。)

国民年金について

国内で国民年金に加入されていた方は、海外赴任後の加入は任意になります。赴任後にも国民年金を継続希望する場合は別途手続きが必要です。(自動継続ではありません。ご注意ください。)

公的健康保険について

厚生年金・共済年金の加入者は引き続き、健康保険の被保険者となります。一時帰国などで日本国内にいる場合は保健医療を受けられます。海外の赴任先では、海外療養費として払い戻しを請求できます。ただし、国民年金の任意加入者には海外療養費の請求制度はありません。(つまり国内で国民年金の加入者であった方が、住民登録を抹消されると、国民年金の任意加入をされても国民健康保険の被保険者にはなれません。)

印鑑証明の発行について

住民登録の抹消後は印鑑証明を発行してもらえません。海外赴任直前に印鑑証明が必要になる場面は自家用車の売却、土地・住宅の売却などが考えられます。これらの売却を赴任前に行う場合は時間的な余裕を持ったスケジュールを作り、それに沿って手続きを進めて下さい。また、住民登録抹消後は発行済みの印鑑証明は無効になります。ご注意ください。

住民票の発行について

言うまでもなく、住民登録を抹消後は住民票の発行はできません。また、抹消後は無効になります。海外赴任前に住民登録が必要となる場面は以下でお話しするマイナンバー(個人番号)カードの発行があります。

マイナンバー(個人番号)カードの発行について

国内では色々な理由によりあまり普及が進んでいないマイナンバー制度ですが、今後は金融機関での手続きの際など、必要となる場面が増えてくるようです。住民登録抹消後は申請ができませんので、抹消前に申請して取得することお勧めします。マイナンバー(カード)は住民登録抹消後も有効です。

本記事、ここまで読んでいただきありがとうございます。この記事の情報が少しでもお役に立てれば嬉しいです。海外赴任、特に家族帯同での海外赴任前は、何かと忙しくなります。事前にやるべき手続きを書き出して予定表に落とし、余裕を持って対応して下さい。

それでは、さようなら。

コメント

  1. […] 海外赴任 住民登録は抹消すべき?(家族帯同編)家族帯同時の海外赴任において住民登録の抹消の是非を詳しく解説します。miyukimedaka.com2019.03.22 […]