2019年8月1日付けで8回目の転勤(全て国境を跨いでいる)を命ぜられてバンコクを離れマニラ赴任して、早くも1週間が経ちました。ぼくはこれまで、マレーシアを皮切りに、シンガポール、インドネシア、タイと合計25年ほど海外赴任を続けてきました。毎回思うのですが、赴任直後は新鮮だった印象も、時が経過するにつれて日常化し、さらに赴任が長期化すると、生まれた時からその国にいるような錯覚に陥ったりして、常識そのものが変形してしまいます。そこで今回は、印象がフレッシュな間に、今の印象を記事として残りてみようと思います。また、今後マニラに赴任される方や、マニラに興味がある方の参考になれば幸いです。また、マニラに来て、1週間ほどの経験を基にしていますので、的外れな記述が多々あるかもしれません。その時は本記事の主旨を考慮してご理解いただき、暖かく見守っていただければ幸いです。ぼくとしても1年後ぐらいに振り返って、この記事の見直しが出来ればなと考えています。
インフラストラクチャーについて
空港(ニノイ・アキノ国際空港)について
今回フィリピン航空を使ったので、第2ターミナルに到着したのですが、はっきり言ってショボいです。ぼくの知る限り、国を代表する空港としてこれよりショボい空港はバングラデシュのダッカ国際空港ぐらいですね。滑走の反対側にもターミナルがあり、どうやって連絡しているのかなと思っていたのですが。後でWikiで調べたところ、国内線を含めてターミナルは4つあるのですが、なぜかアクセスは全く考慮されていないようです。
立地条件は比較的都心に近く良いのですが、鉄道をはじめとした都心へのアクセスが悪く、想像以上に時間がかかります。また、ボッタクリのタクシーもかなりはびこっています。気をつけましょう。(クーポンタクシーには要注意のようです。)
好き勝手書いてしましましたが、ちょっとひどいですね。世界のワースト国際空港ランキングの常連なのは納得です。ODAをはじめとして現在、何案か新空港案があるようですので、早急の対応お願いしたいところです。
道路事情について
こちらの道路は右側通行で、日本とは逆になります。従って車も左ハンドルです。慣れるまでは、後部座席に乗っていても、歩道を歩いていても、ちょっとヒヤッと思うことがあるかもしれません。
まだ高速道路には入っていませんが、都心の道路の路面はあまり良くないと思います。また、歩道はとても歩きに聞いですね。バンコクの歩道も歩道の真ん中に交番があったり、とても車椅子で通れるレベルのものではなく、ある意味、歩道の悪さ加減については、感覚的に麻痺しているところもあるのですが、それでも悪く感じます。私感的にはバンコクより悪い印象を持ちました。路面がボコボコです。また、雨水の水はけが非常に悪いです。週末、高架道路の下を歩いていて、高架道路から急に水がかなりの量落ちてきたのにはびっくりしました。高架道路の水たまりを車が踏んで、それが落ちてきたようです。車はかなりの速度で走っていますので、水たまりの量が多いと、とんでもないことになりますね。
公共交通機関
マニラの主な公共交通機関はMRT1路線、LRT2路線、市内バス、乗合バス(ジプニー、UV Express)です。このうち日本人が使えるのは、MRTとLRTぐらいでしょうか。この二つにはまだ乗っていませんが、朝夕はかなり混雑し、スリの被害もあるようです。また、他の交通手段としてタクシーもあるのですが、驚いたことにぼくの勤めている会社では原則使用禁止のようです。会社の車かGrabを使うように言われています。
なにせ、道路の渋滞がとても酷い(今の会社の寮から事務所まで歩いて1時間の距離なのですが、朝6時に出れば25分のところが、帰りは、7時ごろに出ると1時間30分から45分ほどかかります。)ので、早急に公共交通機関を充実させて、渋滞解消に勤めて欲しいところです。幸いなことに、地下鉄の工事は着工したようですね。
治安状況
治安については、実際に被害があったわけではありませんが、バンコクより悪いように思います。大人の男のぼくでも、夜はあまり歩き回りたくないですね。少し大通りから外れると街灯も少なくなり薄暗くなりますね。先入観もありますが、治安については、マニラも広いので場所によっての程度の差はもちろんありますが、一般的に言うと、バンコクよりもクアラルンプールよりも2段階ぐらい悪いと思います。
経済状況
ぼくの住んでいるボニファシオグローバルシティー(BGC)やマカティでは建設中の高層建築の現場があちこちにあり、全体的に景気の良さを感じます。ただ、前政権の経済・インフラ政策があまり機能していなかったようです。(悪く言う人にはたくさん会いましたが、良く言う人はいない。)2016年に就任したドゥテルテ大統領の手腕に期待したいところですね。
意外と知られていませんが、フィリピンの人口は1億人を超えています。
物価について
物価は大まかに言ってバンコクより少し安いぐらいではないでしょうか。一人当たりのGDPでは平均では、タイの半分以下なので、あまり生活には余裕はないと思います。一般的な家庭のエンゲル係数はかなり高いはずです。ぼくの勤める企業のナショナルスタッフ同士を比較しても自家用車を持っている割合は、タイの方が多いですね。
貧富について
マニラでは、何度か素足の子供に見かけました。バンコクやクアラルンプールではまず見かけることはないです。また、ほとんどが日本車なのはバンコクやクアラルンプールと同じなのですが、メルセデスやBMWなどの高級車の割合は、マニラが一番低いように思いました。ただ飛び切りの大金持ちはマニラの方が多いような気がします。
人口の大多数はマレー系の人たちですが、大金持ちの方々は、やはり華僑系、スペイン系の人が多いようです。ただ、マレーシアとは異なり、マレー系の人、中華系の人が別々のコミニティーを形成しているわけではなく、ある程度混在しています。また、小さな島国を持つ海洋国家の例に洩れず、地方と中心部(ルソン島)との経済格差はかなりあるようです。
国民性について
感覚的に、タイ人よりもマレーシア人に近い感覚を受けました。実際に大多数はマレー系の人たちです。具体的には、タイの人よりも言うべきことははっきり言う傾向が強いように思います。(と言うか、タイの人が言わなさすぎですね。)また、陽気で明るいのは良い点ですね。タイの人の方が細かな気配りは得意かもしれません。ぼく個人的には、この点については、バンコクよりもマニラの方が良いですね。
まとめ
マニラ赴任開始から、1週間が経ち、渋滞が想像していたより酷かったことと空港がショボかったを除けが、だいたい想定していた通りでした。タイでの赴任が長かったこともあり、個人的にはマニラにこれてよかったと思っています。新しい国での生活や仕事にワクワクしているところです。1年ほど経って、自分でこの記事を読み返して、どんな感想を抱くのか、今からちょっと楽しみです。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。さようなら。
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